矢に強力なマグネットがついている、安全なダーツです。「カチッ」と的に当たるときの手ごたえが非常に良く、本格的な気分が味わえます。スタッフが的を持ち、お年寄りの腕の動きや振る強さを見て、距離や高さを調整します。腕を振ることが難しいお年寄りには、的を床に置いても楽しめます。

　ねらいすましてダーツを投げる、非常に高度な目と手の協調動作が必要です。上肢（肩、肘、手指）全体の大きな素早い運動と、投げるタイミングの練習に効果的です。勝負がかかっていますので、活発な交流が図られます。

　昔懐かしい、パチンコの原型的なおもちゃです。スティックで弾いた玉が、くぎに当たりながら落ちていき、入ったコーナーの点数を競います。玉をまとめて弾いてもおもしろく、玉が転がる音も心地よいです。スティックで玉を押し出したり、手首を使って玉を弾いたり。昔遊んだ頃の話をしながら、会話を楽しむのもよいでしょう。特に男性に人気です。

　スティックの弾き方は、強すぎても弱すぎてもダメ。上肢（肩、肘）の関節運動に有効ですが、大きさとスピードの調整が必要です。転がる玉を音とともに目で追う注意と集中が促されます。また点数の計算力も促します。

　レバーを引き、パッと放して玉を弾くパチンコゲームで、特に男性から「懐かしい！」との声があがります。ひとしきり子ども時代の遊びのことで盛り上がりましょう。

　レバーをつまんで引っぱり、パッと放すという指の動きはとても指先の力が必要です。仕事や家事をしなくなった手は思った以上に力が弱くなっていますので、毎日遊んでいただくとよいのでは。利き手でない方でも挑戦すれば、脳へも刺激的でしょう。
　玉が入ったところの数字が得点ですから、数名で競いましょう。暗算で計算するのが上手い方も多いですから、職員との対戦もお勧めしたいです。
（おもちゃコンサルタント・菊池貴美江）

　2枚の木の板の間に布を置いてはさむだけの着せ変え人形。布の模様の違いはもちろんのこと、はさむ位置や重ね方によって、洋服の印象ががらりと変わります。別売の和布セットを使って着物のようにしたり、お手持ちの端切れを使い、着せ変えを楽しみましょう。

　布をはさむだけなので、マヒがある人にも片手で楽しむことができます。女性のグループで遊んでいただくと交代で着せ変えを楽しみ、「この布、派手だけど、服になるとステキね！」「私もこんな服が欲しいわ！」など、まるでファッションショーのよう。お気に入りのファッションは他の人に見せたくなるようで、自然とコミュニケーションが活発になりました。
（おもちゃコンサルタント・菊池貴美江）